ベトナム 2021年の注目すべきテクノロジー
2021年12月23日
国民に提供するコロナ感染症の治療薬やワクチンを迅速に生産するという目標、または新技術の活用による「ニューノーマル」の普及は、ベトナムにおける科学技術の刺激的な年を示しています。
以下は2021年のベトナムの注目すべきテクノロジーです。
ベトナムは、コロナ感染症に対するワクチン生産技術に積極的に取り組むことを目指しています。
2021年に、ワクチンという言葉は、複雑に広がっている世界共通のパンデミックとして、すべてのチャネルで言及されています。 「ワクチン主導」は、関連管轄が当面の状況を解決するために、また、将来の困難な病気に対して、ベトナムでバイオテクノロジーを開発することが不可欠であると考えられています。
現在、国内にはさまざまな技術を使用してコロナワクチンを研究および生産している4つの企業があります。それは、Nanogen製薬バイオテクノロジー株式会社 (Nanogen)、ニャチャンワクチン医学生物学研究所(IVAC); 第1ワクチン生薬製造会社(Vabiotech)およびワクチン生物製剤研究製造センター(Polyvac)です。これらのうち、Nanogen社のNanocovaxワクチンは、12,000人を対象に第3相臨床試験が行われているそうです。他の企業のコロナワクチンは、フェーズ1、2、および前臨床試験中で行っているそうです。
さらなる目標に備えるため、技術移転研究センターと連携して国立ワクチン研究所を設立するプロジェクトは、今年の7月にヴードゥックダム副首相から保健省に開発するよう指示出しました
10月1日、国家の主要な科学技術プログラム「2030年までのワクチン研究・生産企画」がヴードゥックダム副首相によって承認されました。このプログラムの目的は、人が使用するワクチン製造技術を研究し、国内のワクチン研究所・組織・企業の能力を向上させ、パンデミック発生を防ぎ、ベトナム製のワクチンをグロバールの市場に投入させることです。2025年までに、10種類のワクチンを製造する技術を習得し、少なくとも3種類のワクチンを成功生産し、 2030年までに、15種類のワクチンを製造する技術を習得し、少なくとも5種類のワクチンを成功生産するのが目標だそうです。
専門家は、インフラへの投資、技術開発、感染症用ワクチンの研究の成功が、ベトナムが国民の健康を積極的に管理するのに役立つことを期待しています。
2021年の終わりまでに、国内の科学者は拡大予防接種プログラムのために12種の11種のワクチンを研究および生産し、10か国に輸出しました。ベトナムはまた、タンパク質や酵素の性質を持つ医薬品の研究と生産のための多くの技術を習得し、貴重な医薬品資源の保存と開発における細胞技術の応用で多くの結果を達成しています。
ベトナムのコロナ治療に対する懸念
パンデミックと戦うための努力により、ベトナム研究機関はコロナを治療するための製剤にすぐに着手しました。ベトナム科学技術アカデミーの化学研究所の研究チームは、コロナ感染を防ぐ薬物ファビピラビルの合成プロセスを短縮する方法を発見したそうです。
ファビピラビルは、7~8ステップのプロセスに従って世界中の多くの国で製薬されています。ベトナムの科学者は、現地で入手可能な材料から、プロセスを改善し、わずか3つの反応ステップに短縮しました。その結果、製品コストが低くなり、ベトナムの生産条件に適しているという。現在、この方法は実験中であり、特許を取得する予定です。
2021年7月、ベトナム科学技術アカデミーは、有効成分モルヌピラビルを実験規模で製薬するように、海洋生化学研究所を任命しました。同研究所は、有効成分モルヌピラビルの合成と精製のためのプロセスを作成することに成功したという。
海洋生化学研究所の所長であるファム・ヴァン・クオン准教授は、コロナ治療する薬剤の中で、モルヌピラビルは経口抗ウイルス薬であり、現在臨床試験中で安全性と接収性などに関する肯定的な結果が得られていると述べました。この薬は、5日間の治療後、軽度および中等度の患者のウイルス量を大幅に減少させ、地域社会への感染、入院、および死亡率の減少に貢献しました。
2021年8月までに、ベトナム科学技術アカデミーは、ハーブ由来のコロナ治療するための薬剤に関する前臨床研究の結果を発表しました。 Vipdervirという同実験薬は、nCoVウイルスが細胞内で増殖するのを阻害するハーブ成分から調製されるそうです。 この薬は、熱帯性疾患中央病院の第3ステージで、コロナ感染の200人のボランティアを対象とした臨床試験段階にあります。
ベトナムでは、保健省がホーチミン市の外来患者にモルヌピラビルを使用する実験プログラムを実施しました。 海洋生化学研究所は、モルヌピラビル製造プロセスをある製薬会社に譲渡する契約を締結したという。
人工知能の研究目標を実現・適用する
2021年初頭、首相は人工知能(AI)の研究、開発、応用に関する2030年までの国家戦略を公布しました。この戦略は、AIの研究、開発、応用を促進し、AIをベトナムの第4次産業革命での重要な技術分野にするという目標を定めています。したがって、2030年までに、ベトナムはASEAN地域および世界におけるイノベーション、AIソリューションおよびアプリケーションの開発の中心地となると見込まれています。
この戦略を実現するために、科学技術省とオーストラリアのAus4Innovationプログラムとともに、2021年に、人材・インフラの準備、研究促進、健康、教育、経済分野へのAI適用など科学技術の分野で多くの活動を行いました。
これまで、人工知能に関する協力ネットワーク(ベトナム-オーストラリアAI)が形成され、科学者の学術交流とAIに関する研究結果の共有を支援してきました。
パンデミックの状況では、AIはプロセス自動化や、コスト削減するためにビジネスに広く適用されています。 AIの顔・指紋・音声認識という機能が銀行に適用されています。
パンデミック対策製品では、Vibotというロボットは、患者さんに食べ物や日用品、医療品を運んでもらうため、AIが組み込まれて使用されています。また、CyberCallbotというアプリケーションは、コロナ感染した患者を自動的に呼び出して症状情報を収集し、情報を医師先生に転送します。このアプリケーションは、患者の薬接種の時間などをアラームする機能があり、薬飲むのを忘れないのに役立ちます。
家族では、スマートカメラに適用されたAIは、高齢者や子供たちの行動を認識したり、見知らぬ人の侵入を認識したりすることもできます。
コロナ流行防止アプリケーションを統一
2021年の初めから、コロナ流行防止のソリューションとアプリケーションを迅速に構築する必要があり、国内の各テクノロジー企業は各タスクに対するサポートアプリを開発するように指示されました。Ncovi(毎日の医療申告)、Bluezone(濃厚接触発見)、VHD(国内移動場所や入国用申告)など色々なアプリが誕生されました。
9月の時点で、ベトナムには、地方のソフトウェアを除く、省庁によって開発されたコロナ予防と制御をサポートするための12を超えるアプリケーションがあります。テクノロジーの応用は、5K(マスク、消毒、間隔、大勢で集まらない、健康申告)やワクチン接種と並んで、コロナへの戦略の3つの重要な要素の1つになります。
しかし、多くのアプリケーションの存在は、それが現実になると、混乱を起こしました。公共の場所に出入りするには、BluezoneとVHDの両方をインストールして、医療申告を行い、QRコードをスキャンする必要があります。この場所はこのアプリを要求するのですが、他の場所に寄ったらまた異なるアプリが要求されることや移動時のアプリや電子健康手帳もインストールする必要がありました。また、アプリケーションは相互に接続および同期されていないため、ユーザーは何度もインストールおよび再申告を行う必要があります。多くのアプリケーションでは、使用中にエラー、データの欠落、誤った接収情報が発生します。
9月10日の省庁間の会議で、ヴー・ドゥック・ダム副首相は、できるだけ早くコロナ関連のアプリを一つに統一するよう省庁に要請した。 2週間後、PC-Covidが誕生しました。 1か月後、同アプリは国内のほとんどの地域に導入されました。
PC-Covidは、医療申告、移動申告、QRコードスキャン、濃厚接触発見、ワクチン接種・検査情報の表示など、さまざまなプラットフォームの機能を集約しています…同アプリはBluezoneから更新され、Ncovi、VHDなど他のアプリに置き換えるようになりました。 12月中旬までに、PC-Covidは6,300万回以上のダウンロードに達し、3,300万人のユーザーが電話番号を登録しました。 3,200万人以上のユーザーが定期的にPC-Covidを使用して医療申告を行い、公共の場所を訪れるときにQRコードをスキャンしています。
アプリ統一により、人々は単一のアプリケーションをインストールするだけで済み、テクノロジーは、政府が新時代に対する対策の通りに、パンデミック予防の重要な要素になります。それは5K+ワクチン+薬+治療+テクノロジー、そして人々の意識だという。
パンデミック時にはデジタルトランスフォーメーションが効果的に活用
2021年のほぼ4分の3の間、パンデミックにより対面での接触が困難になりました。社会的距離により、多くの機関、学校、工場、病院が一時的に閉鎖されました。その背景では、コミュニケーションのほとんどはデジタル環境にもたらされました。 2021年のデジタルトランスフォーメーションは、パンデミックの予防と制御だけでなく、経済と社会の運営を支援する基盤としての役割を効果的に促進し、将来の回復と発展の前提を作り上げました。
コロナ流行との戦いにおいて、デジタルプラットフォームは、展開の初期段階ではまだ混乱していますが、実際に使用されるようになると徐々にその価値を示してきました。国民に関するデータ、流行状況はデジタル化されています。医療申告、移動申告、予防接種のプロセスは、デジタルプラットフォームに展開されます。今年、オンライン学習は一時的な解決策ではなくなりましたが、世界中の多くの学校で適用されており、生徒が学校に行かなくても知識を吸収できるようになっています。患者は高レベルの病院に行く必要はありませんが、全国のすべての地区医療センターに配備されている遠隔医療プラットフォームのおかげで、一流の医師による検査と治療が可能になりました。人々は家を出る必要はありませんが、それでも国の公共サービスポータルを通じて管理手続きを行い、eコマースサイトを通じて商品を購入することができます。企業は戦略について話し合うために集まり、オンライン会議を通じてパートナーと会います…
デジタルトランスフォーメーションは、多くの新しいビジネスの創出にも役立ち、数万人の労働者の雇用にも役立ちました。情報通信省のデータによると、デジタル技術分野の従業員数は2020年と比較して60,000人以上増加し、デジタル技術企業の数は5,600企業が増えてきて、ベトナムのデジタル技術産業はGDP成長率の3倍だと統計されています。
11月末にVnExpressが開催したCTOSummit 2021フォーラムの枠組みの中でのディスカッションセッションでは、テクノロジー、不動産、商業、金融などのさまざまな分野の専門家が同じ意見を共有しました。デジタル変革はもはや選択肢ではなくて、将来の必然的な傾向だという。パンデミックは課題ですが、企業が成長する機会でもあり、主要な出発点はデジタルトランスフォーメーションだと考えられています。
多くの重要な成果にもかかわらず、ベトナムのデジタルトランスフォーメーションには、インフラの問題、デジタルサービスの品質、情報セキュリティ、人々のデジタルギャップなど、解決すべき多くの問題があります。インターネットの需要は増加しましたが、インターネットの品質はユーザーから繰り返し不満を漏らしていました。パンデミック予防におけるオンライン学習サービスとテクノロジーアプリケーションは開花しましたが、それでも不安定です。人々の間のデジタルの普及は依然として高く、多くのデジタルサービスを展開することはまだ困難でしょう。
ベトナムでNFTトレンドと仮想世界が爆発
今年の初め以来、芸術作品やコレクションなどの資産の所有権を記録するブロックチェーンに登録された唯一のデジタル証明書であるNFTは、突然「暴力的な」流行になり、インターネットに殺到しました。プレイヤーカード、ゲームアイテムからミーム、ツイート、ロックまで、あらゆるものがNFTとして数百万ドルで取引されます。コリンズ辞書によると、NFTの人気は「コロナの混乱を上回り」、2021年のワードオブザイヤー(今年の単語)になりました。
トレンドから外れることなく、NFTはベトナム市場も強力に爆発しました。多くのベトナム人アーティストが国際交流に参加し始め、多くのポジティブなフィードバックを受け取りました。 7月には、若手芸術家XeoChuによるNFTコード付きの絵画「ラッキーアプリコット」が約23,000米ドルで販売されました。その真の価値については多くの議論がありますが、専門家はNFTが将来の重要な技術であり、市場が安定すると、この傾向がまったく新しい経済を生み出す可能性があると信じているという。
6月には、「メタバース」というキーワードが登場し、テクノロジーの世界であるメタバースが話題になりました。仮想世界(メタバース)は、実際には現実世界と仮想世界が交差する3D空間であり、人々はロールプレイを行い、会議、買い物、ビジネス、学習、娯楽などの現実の生活に似た活動を行います。
Metaverseは2つの方向で開発されています。 1つ目は、ARやVR技術を通じて、現実世界に近い人間の感覚を再現する場所です。もう一つは、参加者が取引、交換、投資できるように、メタバースにはデジタル資産を備えた経済を作ることです。
ベトナムでは、メタバーストレンドの典型的な例は、世界で最も高価なブロックチェーンゲームであるAxieInfinityです。 12月初旬、ベトナムのメタバーススタートアップも、オープンスペースプラットフォームを構築するために2,500万ドルを調達することに成功しました。アナリスト専門家は、現在の開発速度では、ベトナムが新世代のゲームの首都になり、急成長するメタバースの波に追いつくことができると予測しています。
SkyMavisのCEO兼共同創設者であるNguyenThanh Trung氏は、12月11日にハノイで開催されたNational Forum of Digital Technology Enterprises-VFTE 2021で、「Kyber Network、Tomochain、Coin98、またはAxie Infinityなどのベトナム人によって開発された多くのプロジェクトや製品がグロバール中に注目されました。これまでベトナムは世界の他の技術企業と競争することは困難でした。しかし、ブロックチェーンとNFTの世界では、国々の出発点がより平等であり、技術の面でベトナムは他国に追いつく可能性があります。」と共有しました。
出典:
https://vnexpress.net/nhung-dau-an-khoa-hoc-cong-nghe-noi-bat-2021-4404161.html